ゼブラフィッシュ神経発生・機能の研究〜マウスナー細胞を中心として

荒巻 真介
(理化学研究所)

07/05/29, 13:00 (理学部3号館6階数理生物学セミナー室)


I神経システムを統合的に理解するためには、神経細胞の発生、神経回路形 成、機能を一つの単純な系で解析することが、相互の関連性を見出す上で有用 である。私たちはこの目的に適した系として、ゼブラフィッシュのマウスナー システム(Mシステム)に着目し、解析を行ってきた。Mシステムは複数の感覚 情報から危険な外的刺激を判別し、逃避行動を始動させる機能をもつ。その判 断中枢であるマウスナー細胞(M細胞)は、硬骨魚類の後脳に左右ただ一対だ け存在する脊椎動物では唯一の同定可能な神経細胞である。  我々はこれまで、この系の解析に必要なツールを作成する作業を主に行って きたが、いくつかの知見が得られたのでそれらも紹介する。  また最近、脳の形成に重要な役割を果たすことが知られるotx遺伝子群の、 ゼブラフィッシュにおける機能解析も開始したのでpreliminaryなデータでは あるが報告する。


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