戦いの勝ち癖と負け癖ー自身を評価する集団のゲー

萱島 隆一
(九大・理・生物)

08/07/29, 13:30 (理学部3号館6階数理生物学セミナー室)


 動物の闘争において、闘争能力や資源の価値の影響だけでなく、過去の戦いの結果がそれ以降の闘争の結果に影響を与えるということが起こる。勝者は次の戦いがたとえ違う相手だとしても勝ちやすくなり、敗者は負けやすくなる。これはwinner and loser effect (勝ち癖と負け癖)として知られている。このwinner and loser effectが適応的だと説明する仮説の一つに、self-assessment仮説がある(Whitehouse 1997)。この仮説は勝者や敗者は戦った際に、自身の闘争能力について情報を得ているという仮説である。本研究ではこのself-assessment仮説に焦点をあてる。ベイズ推定によって経験的に自身を評価する個体を仮定した個体ベースモデルを用いて、winner and loser effectの進化を議論する。


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