海藻の生活環と季節的適応 〜異形世代交代と同形世代交代への数理的アプローチ〜

別所 和博
(九大・理)

08/11/4, 13:30 (理学部3号館6階数理生物学セミナー室)


海藻の多くは、半数体世代(配偶体)と2倍体世代(胞子体)が独立の個体として存在し、それらが減数分裂と接合で世代交代する。この世代交代は、2つの世代が同じ形と大きさをもつ同形世代型と、片方の世代が大きな藻体で片方の世代が微小になる異形世代型とに分けられ、ともに緑藻、褐藻、紅藻の各グループに見られる。多くの海藻は現存量が夏季に低下するため、我々はこれらを季節的環境への適応の結果として理解する数理的研究を行った。大きな藻体をもつ生活形は多量の資源を要求し捕食者や物理的撹乱を受けやすいため季節性が強く、小さな体の生活形は成長が遅いが安定した生存が見込めるとする。今回のセミナーでは各世代交代についてのモデル構築と、その解析結果について発表を行う。


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