ショウジョウバエ胸背板プレパターン形成における遺伝子制御ネットワークの解析


廣中謙一
(Department of Biology, Kyushu University)

10/02/23, 13:30 - 14:30 at Room 3631 (6th floor of building 3 of the Faculty of Sciences)


ショウジョウバエの体壁の一部を構成する胸背板は、幼虫の体内に存在する翅原基と呼ばれる細胞集団から翅やその蝶番部と共に形成される。一般に生物の発生過程において特定の器官の位置は特定の遺伝子の発現によって早期に決められているが、翅原基においては三齢幼虫期で既に成虫期の胸背板の筋肉や感覚毛の配置を決定する遺伝子の発現パターンが観察される。このパターンを生み出している機構については過去の実験研究で詳細に調べられており(Sato. M,Saigo. K, 2000; Tomoyasu. Y, Ueno. N, Nakamura. M, 2000)、それに関わる遺伝性制御ネットワークの要素はほとんど解明されている。今回、私はこの胸背板のプレパターンを形成する遺伝子制御ネットワークを連立微分方程式でモデル化し、ネットワークが持つ特性を解析した。今回の発表ではその予備的結果を幾つか報告する。


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