感染症数理モデルにおける伝播速度について

梶原 毅(岡山大・環境数理)

02/02/21, 13:30- at Room No.3631 (6th floor of the 3rd building of the Faculty of Sciences)



感染症が伝播していく速度については、中世ヨーロッパにおけるペストの伝播、ま た20世紀後半のヨーロッパにおける狂犬病の伝播などについての微分方程式モデル による解析が有名である。 本講演では、現在北海道で流行しているエキノコックス症を考える。この病気に関 しては、被食者である中間宿主(ネズミ)と捕食者である終宿主(キツネ)の間で感染を 維持していることが特徴である。これに対して上記の研究と類似の微分方程式モデル を作り、感染のダイナミックスの解析、伝播を記述している進行波解の速度の解析表 示とその数値計算による検証、また北海道におけるデータとの簡単な比較などについ てお話する予定である。