03/08/19, 13:30 at Room 3631 (6th floor of building 3 of the Faculty of Sciences)

 

Noise-reduction in gene expression and its limitation

森下 喜弘

遺伝子操作に関する技術の発展によって、スイッチやオシレータといった 特定の機能を持った遺伝子ネットワークを人工的に構築することが可能となって きている。しかし、各遺伝子の発現量は大変揺らいでおりその原因を明らかにし、 抑制方法を考えることは大変重要な課題である。 本発表では遺伝子発現量の揺らぎに関する従来の研究を簡単にレビューするとと もに、遺伝子発現過程に新たな化学反応を付加することによって揺らぎが抑制可 能であることを示す。さらに、その抑制可能な限界を解析的に求める。


 

Multivariate Analyses of Noise in Genetic Regulatory Networks

冨岡 亮太

マスター方程式の線形ノイズ近似(linear Noise Approximation)と呼ばれ る解析的な手法を用いて遺伝子ネットワークの揺らぎの多変量解析を行う. 特に二量体化による揺らぎの抑制効果を「揺らぎの方向」の変化として説明し, 「揺らぎの方向」が生物の揺らぎに対するロバスト性において果たす役割を考察 する.


 

How Does Noise Propagate in Genetic Networks

小林 徹也

単独では大きな揺らぎを持つ遺伝子の組み合わせから再現性の高い細胞内 現象が生じるメカニズムは、遺伝子ネットワークの多様性・高次元性と確率解析 の複雑さからほとんど明らかでない。 本発表では、遺伝子ネットワーク内における揺らぎの生成・伝播を直感的に記述 し、かつヘテロで高次元なネットワークにも適用できるスケーラブルな新しい遺 伝子発現揺らぎの解析手法を提案し、その有用性を示す。


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