加害植物の匂いに対する多食性捕食者の選好性-食植者種とその密度の影響

上船 雅義(九大院・農・生防研)

01/05/08, 13:30- at Room No.3631 (6th floor of the 3rd building of the Faculty of Sciences)



 植物は植食者に加害されることによって、特有の匂いを放出し、その匂いを 寄生バチや捕食性ダニが、餌場を発見するために利用していることが知られ ている。加害された植物が放出する匂いは、植食者種によって質(ブレンド) が異なる。寄生バチや捕食性ダニは、餌となる植食者が加害した植物の匂いに 反応することで、餌が存在する植物(餌場)の発見に利用していると考えられ ている。また、植食者密度が増加するにつれて、寄生バチの匂いに対する反応 が高まることが明らかにされている。  では、多くの植食者種を捕食する多食性捕食者は、植食者種(質)とその密度 が影響する加害植物の匂いをどのように利用しているだろうか?そこで、匂い の選択実験の結果からこのことについて考察する。