変動環境下での中立モデルと有効個体数

飯塚 勝(九州歯科大学・数学教室)

01/11/26, 13:30- at Room No.3631 (6th floor of the 3rd building of the Faculty of Sciences)



これまで、集団の個体数が変動する場合の有効個体数 Ne は個体数の調和平均 Nh に 等しいと考えられてきた。本講演の前半では、変動環境下での Wright-Fisher モデ ルを考察することにより、Ne = Nh となるのは、個体数の確率的変動が世代毎に独立 な場合に限られることを示す。 さらに、個体数の確率的変動が正(負)の相関をも つときには Ne > Nh (Ne < Nh)となることを示す。後半では、変動環境下での K 対 立遺伝子拡散モデル、もしくは、無限対立遺伝子拡散モデルにおいて、Na を個体数 の相加平均とするとき Nh < Ne < Na となること等を示す。