向 草世香(九大・院・生物)
02/02/05, 13:30- at Room No.3631 (6th floor of the 3rd building of the Faculty of Sciences)
生息空間を巡って争う固着性生物では、先に定着して空間を先取りし、相手の定着 を阻む消費型競争が重要である。それに加えて、隣接個体に直接攻撃し空間を奪い取 る干渉型競争が生じる。この競争能力は種によって異なり、また同一種内でも個体の サイズに応じて変化する。 本研究では、干渉型競争のパターンが2種の共存条件に与える影響を調べた。空間 の奪い取りを許した数理モデルを構築し、以下の3つの競争についてそれぞれ解析を 行った。[1] 相手に覆い被って空間を奪い取ることが出来る優位種と抵抗できない 劣位種からなる階層的競争(hierarchical competition)、[2] 個体サイズがある 程度大きくなってから空間の奪い取りが可能となる場合(standoff competition)、 [3] 個体のサイズに応じて干渉型競争の力関係が逆転する場合(reversal competition)。 また、定着、成長、死亡、幼生生産のデモグラフィックプロセスの生息地変異を考 え、共存条件の変化を議論する。 |