大野克嗣(Dep. Physics and Beckman Institute Univ. Illinois)
7月 29日 (木) 午後1:30から
理学部3号館 6階 3631 数理生物学セミナー室
時空大域的な相変化のダイナミクスは非線形な高階(楕円型)偏微分方程式でモデル
化されるのが常だが、どうせ計算機を使わなくては解けないのならば、はじめから時
空離散的モデル(すなわち計算機に適応したモデル;セルダイナミクス CDSモデル)
を現象に即して作るのが賢いに違いない。この方針で、計算的にも効率のよいモデル
を作ることができる。現象を忠実に記述するという方針は偏微分方程式の正確な数値
解法の開発指針にさえなる。いくつかの成功例をのべ、関連した生物系の話題にもふ
れる。もちろん、以上の話題をまじめに扱うには、まず、モデルがよいとはどういう
ことか、現象を忠実に再現するとはどういうことか、という様な基本事項についての
反省が必要である。そこで、このような基礎的な面にもある程度触れることにする。