堀本 勝久(佐賀医科大学・一般教育等・数学)
10月26日 (火) 午後1:30から
理学部3号館 6階 3631 数理生物学セミナー室
ミトコンドリアや細菌など環状ゲノム上での遺伝子の空間配置の比較は、通常、遺伝 子の並びの順序に着目しておこなわれる。しかし、本来環状構造であるゲノム上の遺 伝子の空間配置を遺伝子の並びの順序に変換することで、全体が環状であるという性 質が考慮されていない、また、近くに位置する遺伝子のみを比較して局所的な比較に とどまっている、等の問題点が考えられる。そこで、これらの問題を克服する一つの 試みとして、二つの指標を提案する。一つは、2つの異なるゲノム上にコードされる 1組のorthologous遺伝子とその他すべての遺伝子との相対的位置の相異を表す指標 (遺伝子位置距離)、もう一つは、すべての遺伝子の位置を考慮したゲノム間の相異 を表す指標(ゲノム距離)である。これら二つの指標を、44種から得られたミトコ ンドリアゲノム及び6種から得られた細菌ゲノムについて適用した結果を報告する。 |