佐々木顕(九大・理・生)
11月 2日 (火) 午後1:30から
理学部3号館 6階 3631 数理生物学セミナー室
遺伝子対遺伝子(gene-for-gene)モデルは、植物(の抵抗性)と病原菌(の病原性)
共進化の基本モデルである。しかし、これは常に遺伝的多様性消失へ向かう発散振動
(ヘテロクリニックサイクル)をもたらし、抵抗性や病原性に関する遺伝的多様性を
説明できないと言われてきた。 ここに大域的および局所的移住をともなうメタ個体群構造を導入することによって、 遺伝子対遺伝子モデル、およびHAMAXモデル(Hamilton et al. 1990)において、 ペ ースメーカー、スパイラル、ターゲットパタン、領域分割などの特徴的な時空間構造 が出現することを以前のセミナーで報告した。ここでは特に「ほとんどの個体群が同 調する中で、ほんの一部分の非同調個体群(ペースメーカー)が出現し、系の遺伝的 多様性を維持する」というペースメーカ現象についての、より詳細で解析的な研究の 成果について報告する。 |