Population Genetics of Genomic Evolution
- Linked Parity Model as a Scaffold for Synthetic Theory -
松田 博嗣
03/05/13, 13:30 at Room 3631 (6th floor of building 3 of the Faculty of Sciences)
近年種々の生物種のゲノムにおける核酸の塩基配列についてのデータが急速に蓄積さ
れつつある。集団遺伝学では、数理モデルの結果と実測データの比較から進化要因が
追求され、種々の論争が行われてきた。例えば分子進化の中立説選択説論争や、進化
の連続説断続説の適応限界の問題、有性生殖の意義など多くの興味ある問題が残され
ている。従来の集団遺伝学モデルでは、通常遺伝子の進化を対象とし、遺伝子を自然
選択の単位として扱ってきた。しかし、元来自然選択の単位はゲノムであり、ゲノム
は莫大な数の遺伝子や塩基からなるので、ゲノムレベルの解析には、それに適した新
たなモデル系の導入と構築が望まれる。ゲノム集団は、高度の多自由度系であり、そ
の複雑さをどうモデル化すればその特質をどう簡単に捕らえられるかは、今後の発展
が期待される興味深い問題であろう。
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