九州大学数理生物学研究室

数理モデル研究
① 体節形成におけるノイズに頑健な再現性メカニズム
② 神経回路を配線する走化性メカニズム

本田 直樹

京都大学大学院 生命科学研究科

2019/11/26, 14:50 -, at W1-D-208



Abstract

① 胚発生は細胞レベルの揺らぎに対して頑健に制御され、高い再現性を示すが、このメカニズムは良く分かっていなかった。そこで本研究は、繰り返し同じ構造が作られる体節形成に注目し、この課題に取り組んだ。そして、数理モデルおよびライブイメージング技術を組み合わせることで、時計遺伝子がなくても体節が不規則に形成されるメカニズムおよび時計遺伝子がその不規則性が抑制することで再現性を保障するメカニズムを示した。
② 神経回路の配線において、神経細胞の位置(出発地)に応じた軸索の投射先(目的地)が適切に決められている。「化学親和説」によると、接続元と接続先の脳領域には位置情報を担う濃度勾配が存在し、これらが鍵と鍵穴の関係を果すことで、軸索が正しい位置を認識していると考えられてきたが、そのメカニズムは長年の謎であった。本研究では軸索特有の走化性を説明する数理モデルを提案し、その妥当性を実験的に示す。そして、走化性によって実装可能な化学親和説を初めて提唱した。

Back: 2019

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