北海道大学 大学院先端生命科学研究院 准教授
2022/11/25, 16:40 -, at W1-C-201
遺伝子を調べる技術が発達したことで、これまで調べることのできなかった腸内には、100 種類を超える細菌が存在することがわかってきました。同時に、腸内細菌の変化が、糖尿病といった生活習慣病に深く関わっていることもわかってきました。病気になる過程で腸内細菌の構成がどのように変化するかを知ることができれば、未然に防ぐことで病気の進行を止めたり、発症そのものを阻止することができます。腸内環境を知り操作することで、健康を管理する時代が訪れつつあります。細菌データの解析、数理モデルと呼ばれる刻々と時間変化する状態を記述する数学手法、コンピューターによるシミュレーションなど、腸内環境を知るための数学について、実際のデータ解析を含めた研究を紹介します。