まずはコマンドを覚える



さて、今から UNIX 系 OS で動いているサーバの管理を任されたからには、UNIX コマンドを覚えなければなりません (研究室に来て新たにMacを使い始めた人も覚えておいた方が良いです)。 コマンドについてはサルの知恵袋 に詳しく載ってますし、コマンドリファレンスのような本もたくさん売っています (図書室にある「純 Mac ユーザーのための「ターミナル」入門」という冊子が、薄くて入門用に適していると思いますので、推薦しておきます)。 ですので、改めてここに書く必要はないかもしれませんが、 私のこれまでの経験から覚えておくべきだと思われるコマンドをリストアップしておきます。


man

まずはmanについて。「manual」の「man」です。

man command

と入力すると、コマンドの意味、コマンドごとのオプションの種類とその使い方などを教えてくれます。

cd

「change directory」の略です。今いるディレクトリ(カレントディレクトリ)から動きたい時に使います。

cd directory

と入力してください。 目的のディレクトリは絶対パスでも相対パスでも指定できます。 「パス」とはコンピュータの中での住所のようなものです。 自分が今どこにいるのか、ということは常に意識しておいてください。

cd

とだけ打てば、あなたのホームディレクトリに戻ることができます。

pwd

「present working directory」の略です。 いま自分がどのディレクトリで作業しているのかを絶対パスで表示してくれます。 あちこち移動して作業しているうちにどこにいるのか分からなくなってしまうことがありますので、 そんなときに使用してください。

ls

「list」の「ls」です。引数なしで使うと、カレントディレクトリのファイルの一覧を表示してくれます。 よく使うオプションとして

-a
".(ドット)" でファイル名が始まるものも含め、全てのファイルを表示(all の意味)
-l
パーミッション、オーナー、グループ、サイズや最終更新日などを表示

があります。なお、良く似た(?)コマンドに「sl」というのがあります。

whoami

そのまんまです。今あなたがログインしているユーザ名を答えてくれます。

w

現在ログインしている全てのユーザ名を答えてくれます。 同じマシンにログインしている人を調べれば、talk などを使って会話をしたりできます。

emacs

ファイルを作成・編集します。詳しい使い方はここでは述べませんので自分で調べてください。 他にもテキストエディターはいろいろありますが、最もよく使われているのはこの emacs か vi です。

mv

「move」の「mv」です。ファイルを移動、またはファイル名を変更する時に使います。

mv file directory
mv oldfile newfile

といった具合です。もちろん、

mv file directory/newfile
とすれば、移動させたい先に好きな名前でファイルを移動できます。

cp

「copy」の「cp」です。

cp file newfile

と使うと、別名のファイルが複製されます。

cp file directory

とやったら同じ名前のファイルが別のディレクトリに作成されます。

rm

「remove」の「rm」です。ファイル名を指定して使います。先の cp でもそうですが

rm -R directory

というように「-R」というオプションをつけると、そのディレクトリの下にあるファイルも全て消去(コピー)されます。 このとき、ファイル一個一個に対して消していいのか確認で「y/n」と聞かれますので、それが煩わしければ

rm -Rf directory

とすれば確認なしで一気に削除してくれます。 ただし、一度消したファイルは元には戻りませんので、消しても良いと確信のあるときにだけ使ってください。

mkdir

ディレクトリを新しく作成します。

rmdir

ディレクトリを削除します。

cat

テキストファイルの中身を全部一気に見ます。行数の多いファイルでは不便かも。

more

テキストファイルの中身を順に見ます。

less

テキストファイルの中身を順に見ます。

head

テキストファイルの中身を上の方だけ見ます。

tail

テキストファイルの中身を下の方だけ見ます。

ps

現在実行されているプロセスを表示します。 引数なしだと自分の動かしているプロセスだけ表示されます。 自分以外のユーザも含めてそのマシンで動いている全てのプロセスを見たければ、 とりあえず「-aux」とオプションをつけておけば大丈夫です。

kill

動いているプロセスを止めたいときに使います。ps でプロセスの ID を調べてから

kill IDNumber

とします。大事なプロセスを止めないように注意してください。

passwd

パスワードを変更します。自分のパスワードは忘れないようにしてください。

ssh

別のホストにログインします。自分の家から bio-math10 に入りたいなら

ssh username@bio-math10.biology.kyushu-u.ac.jp
ssh username@133.5.161.127

のどちらかでOKです(133.5.161.127 は bio-math10 のグローバル IP アドレス)。ログイン元とログイン先のユーザ名が等しければ「ユーザ名@」はいりません。 さらに研究室内から行う場合は

ssh 192.168.2.127

でもいけます(192.168.2.127はbio-math10 のローカルIPアドレス)。

exit

あるいは logout。ログアウトします。

sftp

ファイルを転送します。

sftp username@host

で別ホストに接続し、get でファイルをダウンロード、put でアップロードです。cd と lcd、ls と lls、pwd と lpwd などをうまく使ってください。

tar

アーカイブを作成、展開します。sftp ではフォルダは put や get できません。 そんなときアーカイブを作成してファイルをひとまとめにしてしまえば転送できます。 それ以外にも使うことが多いコマンドでしょうので、覚えておくと便利です。

tar -cvf archive.tar folder 

で archive.tar というアーカイブが作成されます(対象はフォルダである必要はないですが)。それを展開するには

tar -xvf archive.tar

とすれば大丈夫です。アーカイブのファイルサイズを抑えたいなら、同時に圧縮するとよいです。 その場合は

tar -czvf archive.tar.gz folder 

とすれば、圧縮されたアーカイブが作成されます。これを解凍して展開するには

tar -xzvf archive.tar.gz 

のようにコマンドを実行します。

chmod

webサイトなどを作って外部の人に公開したい時に、ファイルやディレクトリのパーミッションで問題が起こることがあります。 そんな時はこのコマンドを使ってファイルのパーミッションが、 他のユーザに readable(あるいは executable)になるよう変更してください。




一般ユーザとして使うコマンドならこれぐらい覚えておけば十分です。


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